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No.3-7
上田假奈代 / Profile AB型 URL:www.kanayo-net.com
1969年奈良県吉野生まれ。闘う天才料理詩人・救わない巫女。
大阪市立文化事業実行委員会発行「カルチャーポケットC/P」に「生きる詩人になる方法」連載中。
3歳から詩人。2000年からトイレ連込朗読プロジェクトを実施。
知る人ぞ知る上田假奈代が語りかける。

学術博士といふお仕事

コトバと声のことに......
ついこないだも会ったみたいに
留学生の友達になる方法
友達に友達ができる話は....
広辞苑と男友達は....
学術博士再びの渡英
エピローグ

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イベント・アイ特集連載コラム
Monochrome Column
上田假奈代なモノクローム


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編集:池田 剛
文章:上田假奈代
意匠:ビット田村
仕掛:ドクタ丸尾



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銭湯の番台といふお仕事
学術博士といふお仕事
上田假奈代

エピローグ●不可視のものをみつめるということ

明日からボストン会議に行くという学術博士からメールが届いて、
桜のつぼみもふくらみ、春の絶頂目前。

長いつきあいの友人である「としをちゃん」とは
逢えば、いつもコトバについての話をしていたように思う。
あらためて、こうやって文章にすると
ふたりの言語への言及はズレていたり、その狭間でくっついたり
奇妙な振幅であらわれてきた。

見えないものをみつめたい という彼のまなざしは
出逢ったときから、ちっとも変わっていない。

彼の好奇心と探究心の深さには、いつも驚かされるのだけれど
そのコトバは学術用語ではなく、わたしにわかるようなところまで
砕いてくれるので、わたしも調子に乗る。
話題が途切れることがないのだ。

彼は、旅する人だと思う。
世界を旅し、季節を旅し、日常を旅する。

光線のしたで、夜の暗がりのなかで
さまざまな言語に耳をそばだて、ファインダを覗き、
その地域の人々が食するものを口にする。
身体に馴染ませるように、静かに咀嚼している。

そして、彼は帰ってくると、
すんなりとわたしの日常にやって来て、お茶のみ友達の席に座る。
その語り口のリズムに揺られて、わたしは想像の旅をふくらませ、眠りにつく。

やがて、いつも朝が来て
みえないものは、やっぱりこの日々に潜んでいるような気がして
「おはよう」と「いってらっしゃい」でお互いを見送る。

完

上田假奈代
次回のコラムは4月15日です。お楽しみに...

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