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No.4-2
上田假奈代 / Profile AB型 URL:www.kanayo-net.com
1969年奈良県吉野生まれ。闘う天才料理詩人・救わない巫女。
大阪市立文化事業実行委員会発行「カルチャーポケットC/P」に「生きる詩人になる方法」連載中。
3歳から詩人。2000年からトイレ連込朗読プロジェクトを実施。
知る人ぞ知る上田假奈代が語りかける。

井戸掘りといふお仕事

再会はあまりに突然......
浅黒く焼けて、ひとまわり大きくなったように見える......

笑わない肖像写真......
アフガンでそれが気軽に言えるようになる日はいつやって来るのだろう......

いっそう激しく降る雨
彼女は、雨の向こうのカフェを振り返り、そう言った......

涸れる井戸を掘る仕事......
2000年夏、彼は300万円を渡されて「井戸を掘ってこい」と言われる......

井戸を掘りボクシングする男......
たった1人からはじめて、今では600人を背負っている......

アップリケと鬼
けれど今、彼がいる現場は、手抜き作業をすれば命にかかわるような場所なのだ......

アフガンにいる理由
宗教戦争からはじまったアフガンを見てダイレクトに人の、生きたり死んだりを感じた......

天狗なら、またあえるはず
じゃあ、わたしが杉の木にいた天狗だったことも時効よね......
お仕事訪問先

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- 後半、5月1日公開 -


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イベント・アイ特集連載コラム
Monochrome Column
上田假奈代なモノクローム


編集:池田 剛
文章:上田假奈代
意匠:ビット田村
仕掛:ドクタ丸尾



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井戸掘りといふお仕事
井戸掘りといふお仕事
上田假奈代

笑わない肖像写真

木目のテーブルを挟んで、話があちこちに飛びながら会話が弾む。
打ち合せの彼女も一緒に北海道にいったメンバーなので、蓮岡のことは知っていて、
再会を喜んだ。簡単に打ち合せを済ませ、その後、彼との話が中心になった。

今回は2週間の日本滞在で、今朝、長崎からやって来たと言う。
絵本を書くために長崎の絵本美術館で4泊して、その足で大阪へ、月曜にはアフガンに戻るらしい。
アフガンで井戸を掘っていると言うので「こないだの地震、大丈夫だったかな」と心配すると彼も顔を曇らせた。彼が掘った700本の井戸と地域の住民のことを思い、遠く離れた大阪のカフェの片隅で、みんな黙り込んでしまう。

「友達はできた?」と聞いてみると、
両腕を広げて「いっぱい。現地語のダール語で子どもたちと喋ってるよ」とにこやかに答える。
ただ、海外にいる友達の言う「休みがとれたら、おいでよ」という言葉がない。
アフガンでそれが気軽に言えるようになる日はいつやって来るのだろう。

「あ、かなよさん、お土産あげるよ」と彼は鞄からごそごそ、直方体の紙箱を取り出した。
空色のパッケージに漢字で書かれたそれは、中国産アフガン仕様の小さな懐中電灯だった。
「舞台では小さな懐中電灯が役に立つから、使わせてもらうわ」と礼を述べるが、
「球が切れたら、もう使えないなんて悲しい」と愚痴を言うと「これは使い捨て懐中電灯だから役に立てて」と彼は強く言う。
その時、わたしのケータイに東京から連絡が入った。
打ち合せが全てすんでから、折り返し連絡するから、と電話を切る。

「ちょっと、写真撮るから」と小さなペンタックスのカメラを取り出し、彼は立ち上がって、何度もアングルを変え、シャッターを切る。
にこっと笑ってみると「これは肖像写真だから笑わないで」と制止される。


※ アフガニスタンの写真はペシャワール会よりご提供いただきました。

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