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No.4-8
上田假奈代 / Profile AB型 URL:www.kanayo-net.com
1969年奈良県吉野生まれ。闘う天才料理詩人・救わない巫女。
大阪市立文化事業実行委員会発行「カルチャーポケットC/P」に「生きる詩人になる方法」連載中。
3歳から詩人。2000年からトイレ連込朗読プロジェクトを実施。
知る人ぞ知る上田假奈代が語りかける。

井戸掘りといふお仕事

再会はあまりに突然......
浅黒く焼けて、ひとまわり大きくなったように見える......

笑わない肖像写真......
アフガンでそれが気軽に言えるようになる日はいつやって来るのだろう......

いっそう激しく降る雨
彼女は、雨の向こうのカフェを振り返り、そう言った......

涸れる井戸を掘る仕事......
2000年夏、彼は300万円を渡されて「井戸を掘ってこい」と言われる......

井戸を掘りボクシングする男......
たった1人からはじめて、今では600人を背負っている......

アップリケと鬼
けれど今、彼がいる現場は、手抜き作業をすれば命にかかわるような場所なのだ......

アフガンにいる理由
宗教戦争からはじまったアフガンを見てダイレクトに人の、生きたり死んだりを感じた......

天狗なら、またあえるはず
じゃあ、わたしが杉の木にいた天狗だったことも時効よね......

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イベント・アイ特集連載コラム
Monochrome Column
上田假奈代なモノクローム


編集:池田 剛
文章:上田假奈代
意匠:ビット田村
仕掛:ドクタ丸尾



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井戸掘りといふお仕事
井戸掘りといふお仕事
上田假奈代

天狗なら、またあえるはず

蓮岡のプリペイドケータイが鳴る。
「あ、はい、いまから梅田に向かいます」と答えているので
わたしは、手帳を閉じた。

ケータイをポケットにしまうと彼は「ねえ、カナヨさん。
前世で、いっしょに鞍馬山で天狗してたんじゃないですかね、僕ら。
で、最初は同じ烏天狗だったんだけど、修行してるうちに、お互い方向がちょっとづつ違っていったの、きっとそうですよ。」

天狗かあ。
その可能性が全くないとは思わないけど。

「言われたんですよ、僕の前世。
羊飼いと、それから宇宙人でピラミッドの現場監督してたって。
それから鞍馬山で天狗。牛若丸の後見人阿闍梨の蓮忍(れんにん)だって。もう時効だからいいよね。」と
大真面目に言うのである。

じゃあ、わたしが杉の木にいた天狗だったことも時効よね。

支払いをすませ、店を出て、御堂筋線の入口への階段を指差した。
「明日には、アフガンなのね。いってらっしゃい」
背中を叩く。

彼はうなづくと、身をひるがえし階段を駆けていく。
その背中が見えなくなるまで、ずっとずっと手をふっていた。

振りかえると、御堂筋の空はいつにまして青く高く、
この空は明日のアフガンにもつづいているのだと、思った。


※ アフガニスタンの写真はペシャワール会よりご提供いただきました。

完

上田假奈代
次回のコラムは5月15日です。お楽しみに...


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