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No.2-2
上田假奈代 / Profile AB型 URL:www.kanayo-net.com
1969年奈良県吉野生まれ。闘う天才料理詩人・救わない巫女。
大阪市立文化事業実行委員会発行「カルチャーポケットC/P」に「生きる詩人になる方法」連載中。
3歳から詩人。2000年からトイレ連込朗読プロジェクトを実施。
知る人ぞ知る上田假奈代が語りかける。

くらげ職人といふお仕事

- 前半 -
新春早々の西大寺にて
消音博士がなぜ、くらげを......
固定観念から浮き上がること
聞いたこともないやり方や......

- 後半 -
自分でハードルを下げないこと
闘う人は、へこたれないし......
くらげ職人の仕事はくらげを......
今年も、風を孕ませて......

お仕事訪問先


- Back Number -
イベント・アイ特集連載コラム
Monochrome Column
上田假奈代なモノクローム


編集:池田 剛
文章:上田假奈代
意匠:ビット田村
仕掛:ドクタ丸尾



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くらげ職人といふお仕事
くらげ職人といふお仕事
上田假奈代

消音博士がなぜ、くらげを開発するのか

思い出した。
それは、かつての奥田さんではないですか。

彼が某家電メーカーの研究員として働いていた8年程前に、わたしたちは出逢った。
何を作っているのか尋ねると、無音のスピーカーというものを開発していると、図を描いてくれた。
それを見ても、わたしは無音を発するスピーカーを理論として理解できず、情緒的に何故かとても素敵な気分になったのだ。

耳という器官はとても不思議だ。
目や鼻を手で塞げば何も見えなくなるし、匂いもわからなくなるのに対して、耳は塞いだとしてもどこからともなく音を拾ってくる。
そんなたくましい耳に無音を聞かせるなんて。
大真面目な顔でキテレツな研究している彼は、わたしには消音博士そのものに映った。

「それで、その消音博士の実験室の水槽のなかに、得体のしれん生物がうごめいているっていう設定やったんよ。
こんな生き物いないけど、どっかで生きてるかも、というのをつくりたいなあって、構想はあってんな。
人工筋肉の資料をあたってたら、ヒントがでてきて、このネタを社内コンペに出したら、通って。最初はね、浄水器をつくろうとしててん。フィルタって値段高いのに、何回も取りかえなあかんやろう。
多孔質の膜で、ゴミ詰まりを勝手に、勝手っていうのは、電気化学物質に反応して孔の大きさが自動的に収縮するから、酸性の水でゴミを浮き出させてポイッと捨てれば、フィルタはいつも綺麗なんよ。

これもある程度は完成したんやけど、寿命とかそんな問題が残って、実用化には至らなかったんね。いろいろ考えたよ。
洗濯機、ケータイ、パソコン。
人工筋肉での洗濯機は言ってみれば人間の胃みたいなもんで、むにゅむにゅと洗ったり脱水したりする。
ケータイやパソコンは持ち運ぶ時は、びゅーんと縮まれば便利でしょ。」

便利でしょ、と言われても。

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