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上田假奈代 / Profile AB型 URL:www.kanayo-net.com
1969年12月1日奈良県吉野生まれ。闘う天才料理詩人・救わない巫女。ドコモ関西メールマガジン「Wow DoCoMo Now!」も執筆中!
詩作歴は3歳。・知る人が知る上田假奈代が語りかけるモノクロームコラム

    編 集:池田 剛
    文 章:上田假奈代
    写 真:上田假奈代、三木真由美
    演 出:ビット田村
    ジャバ:ドクター丸尾

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モノクローム・オキナワ(3)
上田假奈代



●サーターアンダギーの弾けそうなまぶい。

校門の前で、行き場所を失い、今からどうしようと立っていると、ひとりの女性が近づいてきて、わたしに何かを尋ねた。どうして卒業式にいたのか、そんな問いかけだったと思う。わたしは、旅行者で、ある人の計らいであの場にいたのだと答える。彼女は自分の息子の卒業式だったと言い「それなら琉球村を案内してあげるわ」と、車の助手席を開けてくれる。思わぬ展開だったが、さっきまでの沈鬱をはらい、笑顔でありがとうございますと、身をあずけた。

琉球村は、映画村とか明治村のようなものか。昔のオキナワの暮らしを再現したテーマパークのようなもの。
うちなーんちゅ(オキナワの人)に案内され、家のなかの構造や暮らしの様式など、ずいぶん詳しい説明を受けた。オキナワでは、わたしは、やまとんちゅ(大和の人)と呼ばれる。もしくは、ないちゃー(内地の人)。字面の通り、ないちゃーと呼ばれる時の、好意的でないニュアンスはわかるかしら。

ところで、この優しい彼女は、昨日訪ねた陶芸家の大嶺先生の奥様だったのだから、なんだか不思議なことである。ビニール袋に入ったサーターアンダギーを手に、おやつにしましょうね、と彼女とふたり木陰に腰かける。 そこでまた、オキナワ語講座が始まった。

オキナワでは、「まぶい」というものがあるの。古語では「守る」という意味をさしているの。日本語では、そうね、「タマシイ」に近いニュアンスかしら。
まぶいは、吃驚したり、事故にあったら、落としたりするから、「活力」とか「精気」にも似てるかも。 落とした時には、「まぶいぐみ」(まぶい込め)をするのね。 子供が転んだら、おまじないの唄をうたうの。 こんな風に、「マブヤーマブヤー、ムドゥティキミソーリー」。 例えば、交通事故にあうと、事故現場にユタが行き、病院にまぶいを届けてもらうのよ。

ぼってりしたサーターアンダギーから、まぶいが弾けて出てきそうだ。木々の間から射すオキナワの太陽に、わたしのまぶいは目眩しながら、何かを必死で吸収している。



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