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上田假奈代 / Profile AB型 URL:www.kanayo-net.com
1969年12月1日奈良県吉野生まれ。闘う天才料理詩人・救わない巫女。ドコモ関西メールマガジン「Wow DoCoMo Now!」も執筆中!
詩作歴は3歳。・知る人が知る上田假奈代が語りかけるモノクロームコラム

    編 集:池田 剛
    文 章:上田假奈代
    写 真:上田假奈代、三木真由美
    演 出:ビット田村
    ジャバ:ドクター丸尾

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モノクローム・オキナワ(3)
上田假奈代



●島に行くことにしなさいと、見送られてひとり。

翌朝は、海洋博があった本部(もとぶ)から伊江島に送りだされた。
木下さんから「知り合いの写真家が案内してくれるから、3日間を過ごしてきなさい」とのこと。
ともかく荷物をもってフェリーに乗り込む。

船着き場で、迎えの人を待つこと40分。
堤防に腰掛け、波間に不安が押し寄せてきた頃、おんぼろ車がやってきた。
島でたった一人の写真家は、ワイルドな鬚をはやし、優しい目をした大きな男だった。
島のあちこちを案内してもらう。
戦争の傷痕がところどころにあり、この小さな島で起こった数十年前のできごとが、この穏やかな風景のなかで想像もつかない。Aさんというオジイが、自宅で戦争の資料を展示しているので見せてもらう。方言がなかなか聞き取れなかったが、オジイの声に耳を傾けた。
この夜は、車椅子の女主人の宿に泊まる。1泊1500円。
自炊をして、彼女といっしょに食べる。
泊まり客がひとりのせいか彼女とずいぶん、いろんな話をした。
帰り際にはグレーの膝掛けをいただき、いまも冬の膝掛けとなって、暖めてくれる。

翌日もまた、おんぼろ車が迎えにきてくれた。
彼が自分で作ったという工房でいっしょに作陶をした。
伊江島の土を使い、伊江島の鉱物や灰で釉薬を作り、轆轤をまわす。

海岸に出て、たき火をしながら、泳いだ。
冬の2ヶ月を除いて、いつでも泳げるオキナワの海。こんな真冬に泳ぐ人もなく、海岸はわたしたちだけだった。
またたくまに彼の姿が見えなくなる。潜って貝を採っているのだ。
夕ご飯は貝汁。
彼の家族とともに、島の山の奥にある彼の別荘で囲炉裡を囲む。
家族たちは帰り、一軒家にわたしはひとり残される。
サトウキビが風に揺れる音は、波音に似ている。
時折、2匹の山羊が、月のように哀しい声で鳴く。



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次回のコラム。 モノクローム・オキナワ(4)
10月16日公開。おたのしみに・・


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