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上田假奈代 / Profile AB型 URL:www.kanayo-net.com
1969年12月1日奈良県吉野生まれ。闘う天才料理詩人・救わない巫女。ドコモ関西メールマガジン「Wow DoCoMo Now!」も執筆中!
詩作歴は3歳。・知る人が知る上田假奈代が語りかけるモノクロームコラム

    編 集:池田 剛
    文 章:上田假奈代
    写 真:上田假奈代、三木真由美
    演 出:ビット田村
    ジャバ:ドクター丸尾

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モノクローム・オキナワ(4)
上田假奈代



●当時は、化粧もしていなかったと、改めて気がつく。今でも気持ちは素顔よ。

木下さん宅に戻り、伊江島の土産話に花が咲き、翌日は、久美さんと近くの東南植物園へ行こうね、とすっかり馴染んだオキナワ家庭料理を手伝う。「かなよー、味して。」と久美さんが小皿をさしだす。味見して、のことであり、調味して、という意味もある。
ニガナという本当に苦い野菜。固い豆腐。苦いけど太陽の味がするゴーヤ。炭の香りがするナーベラ(へちま)。サラダになるパパイヤ。久美さんの料理がオキナワの食器に盛られ、母の料理を食べているような気持ちになる。台所の片付けを手伝い、お風呂に入り、庭を眺めて眠りにつく。今夜は家族と過ごしているような気分だ。

翌朝は、東南植物園をふたりで歩いた。
植物園は、見たことのないような南国の植物にあふれ、のんびりと目を喜ばせる。時折、轟音がとどろく。並んでいるのに、大声をださないと聞こえない。驚き、仰ぎみると、頭上を米軍の飛行機。もう慣れたわ、と久美さんは何気ないけれど、米軍基地とオキナワは微妙な関係のうえに成り立ち、日々の生活があるのだと実感する。

午後は、免税店をぐるりと回る。
とくに買うもののなく、それでもいろんな珍しい品物を見ていると、燻し金のコンパクトに目がとまった。薔薇の彫りが施され、手のひらに載せるとすこし重みがあり、とても美しい。
化粧をすることもあまりなく、おこずかいで買うものでもなかったので、あきらめる。いつか化粧するような大人になるとき、あんなコンパクトを左手に持ち、鏡を覗けたら。そんな想像さえも恥ずかしく、小さな胸にしまい、店を出た。



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