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上田假奈代 / Profile AB型 URL:www.kanayo-net.com
1969年12月1日奈良県吉野生まれ。闘う天才料理詩人・救わない巫女。ドコモ関西メールマガジン「Wow DoCoMo Now!」も執筆中!
詩作歴は3歳。・知る人が知る上田假奈代が語りかけるモノクロームコラム

    編 集:池田 剛
    文 章:上田假奈代
    写 真:上田假奈代、三木真由美
    演 出:ビット田村
    ジャバ:ドクター丸尾

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モノクローム・オキナワ(4)
上田假奈代



●オキナワに忘れたのは、17歳のまぶいかもしれない。

何日もたったように思われた石碑の丘に、風が夕暮れを告げている。彼らと手を振り別れ、駐車場に戻る。久美さんたちをずいぶん長く待たせてしまった。夕食の用意を手伝い、もう明日には帰るんだねと、すこししんみりする。片づけをしながら、今日の出来事を久美さんに話す。

翌朝は、久美さんがお弁当をつくってくれた。荷物を整理していると、「忘れ物していきなさいね」と久美さん。はい、忘れていきます。
まぶいを、わたしはここに忘れていくのだ。だから、必ず再び戻ってくる。お世話になった部屋や庭を見渡して、あの太陽の光と影を刻みつける。

空港のそばの公園で、木下さん家族みんなとお弁当を広げる。
最後のオキナワ料理が、陽射しの下でさらに美味しい。空港まで送ってもらい、別れが近づいてくる。
久美さんは、鞄からそっと小さな包みをだして、何も言わずに渡してくれた。あの憧れの重み、燻し金のコンパクトだった。

11日前に通った那覇空港のゲートをくぐる。陽に焼けたわたしは、一人旅の上々の出来事がこぼれおちないようにと、両腕で自分を抱きしめる。
エンジン音が機体を震わせ、アナウンスがシートベルトの装着を告げる。加速とともに、思い出に負荷がかかる。上昇する飛行機の窓から、オキナワの海の碧がさんざめき、きらめく。

完



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次回のコラム。
11月1日公開。おたのしみに・・


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