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No.1-4
上田假奈代 / Profile AB型 URL:www.kanayo-net.com
1969年奈良県吉野生まれ。闘う天才料理詩人・救わない巫女。
大阪市立文化事業実行委員会発行「カルチャーポケットC/P」に「生きる詩人になる方法」連載中。
3歳から詩人。2000年からトイレ連込朗読プロジェクトを実施。
知る人ぞ知る上田假奈代が語りかける。

銭湯の番台といふお仕事

- 前半 -
喜びのダンスしながら......
男湯も同じ造りと......
「ああ幸せ」と呟かれる場所......
あまり似てない姉妹だけれど

- 後半 -
大きなお風呂愛好家が......
お客さんに「ご馳走さん」と......
銭湯史における世相の......
人が集う銭湯の番台を......

お仕事訪問先


- Back Number -
イベント・アイ特集連載コラム
Monochrome Column
上田假奈代なモノクローム


編集:池田 剛
文章:上田假奈代
意匠:ビット田村
仕掛:ドクタ丸尾



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銭湯の番台といふお仕事
銭湯の番台といふお仕事
上田假奈代

「ああ幸せ」と呟かれる場所ナンバーワンは銭湯ではないか

わたしたち姉妹は、1年余前から大阪に住みはじめた。

両方とも定職がなく、選んだ住まいは大阪市内の南の端、家賃の安さだけが自慢の古びた文化住宅である。

2階建ての1階の風呂付きの部屋にわたしが住み、彼女は2階の風呂なしの部屋に暮らす。
2階は家賃が1万円ほど安く、すきま風も多いらしい。
お風呂と洗濯機を共有するが、毎日顔をあわすことはなく、畳まれた洗濯物や余分に作った料理、連絡事項のメモ書きだけがお互いの存在を示している。

ふたりとも、独身でテレビがないという点では似ているが、あとは随分違う。

彼女のスカート姿は殆ど見たことがないし、わたしの洋服姿は殆どない。

毎晩晩酌を欠かさない彼女であるが、わたしは一滴もお酒を飲まない。

長い間、男運がなく「打倒!セカンドバージン」と叫ぶ彼女に、わたしの男運を千切ってわけることもできず、恋人のできるお守りを取り寄せプレゼントしたのである。

お守りの甲斐があったのか、そんな彼女に先日、恋人ができて、一瞬にして可愛らしくなった。
ヘの字口が突然に上向くのだから、恋のはじまりはマジックだ。
そのハッピーが続いてくれることを願う。
いや、正確にはハッピーは続かないと知っている。
そのスイートメモリーがせつなければせつないほど、人は人生の淵を覗き込む。
それが恋愛という、特別な他者と向き合う行為の醍醐味だと思うのだ。
酔った時でしか本音を話さない彼女が、恋人にこころを開けていくことを尊ぶ。


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