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上田假奈代 / Profile AB型 URL:www.kanayo-net.com
1969年12月1日奈良県吉野生まれ。闘う天才料理詩人・救わない巫女。ドコモ関西メールマガジン「Wow DoCoMo Now!」も執筆中!
詩作歴は3歳。・知る人が知る上田假奈代が語りかけるモノクロームコラム



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モノクロームフラペチーノ(1)
上田假奈代

●note.5 道化師達 

で、どうしたん?と、千香子は煙草に火をつける。
伊藤の話は既に要約されていた。
最近淡い恋をした、そして彼女はスタバに行ったことのないコーヒー好きで、今度スタバに行こうと誘った。



「それで、今日いっしょに美術館に行けんかったのね。それなら今朝、わたしとの約束、キャンセルしたらよかったのに。」
「いや、その前に君に会うておきたかった。」
「だから、フラペチーノなのね。でもね。」
そこで、言葉が詰まる。 わたしたちははじまっていたの? はじまってもないものは終われない。
「恋人がいて、わたしに会えへんいうなら、それでいいし、会えるいうんやったら、また会うわ。」
人任せの言い分に、我ながら情けなくなる。そして言わせる伊藤に腹がたった。
「どんな女の子なん。」
別にどんな女の子でもいいのだ。



突然、拍手と歓声が巻きおこる。 階段下に人だかりができている。 どうやら道化師が何かしているらしい。 帽子の赤がちらちらと見える。

「まだ、どんな子かようわからんし、君ともっとちゃんと話さなあかん思たんや。」

伊藤は煙草をポケットにしまい、食事にしようと席を立つ。
テーブルを片付けようとしていると、バリスタが極上の笑顔でやってきて、片付けを引き受けてくれる。 今まで行ったどこのスタバより、店員の態度が、明るく親切なことに気がつく。 客に話しかける態度が朗らかで前向きなのだ。 伊藤の言っていた「いい」というのが少しわかった。 そして、この場所を選んだわけも。

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