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No.6-4
上田假奈代 / Profile AB型 URL:www.kanayo-net.com
1969年奈良県吉野生まれ。闘う天才料理詩人・救わない巫女。
大阪市立文化事業実行委員会発行「カルチャーポケットC/P」に「生きる詩人になる方法」連載中。
3歳から詩人。2000年からトイレ連込朗読プロジェクトを実施。
知る人ぞ知る上田假奈代が語りかける。

長距離トラッカーといふお仕事

- 前半 -
プロローグ●ドラマチック高速
ヤンキー車と詩
渋滞嫌いのトラッカー
肉類を積む
妄想トラッカー
ワッパまわし
岡山水急
『勧進帳』

- 後半 -
3人の女
鍵待ち
トラック朗読
最後の荷下ろし
帰途
到着
眠りに落ちる
エピローグ●数日後

お仕事訪問先

- Back Number -
イベント・アイ特集連載コラム
Monochrome Column
上田假奈代なモノクローム


編集:池田 剛
文章:上田假奈代
意匠:ビット田村
仕掛:ドクタ丸尾



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長距離トラッカーといふお仕事
長距離トラッカーといふお仕事
上田假奈代

●21:00●兵庫/鳴尾浜●肉類を積む

尾浜の海岸沿い一帯は、倉庫地帯だった。
その中でもひときわ大きな倉庫で荷物を積み込む。

荷は、肉類である。
名古屋出身のしんさんが言う。
「大阪の人って、ほんま牛肉が好きですね。
肉じゃがとか、カレーって絶対、牛肉でしょ。名古屋じゃ考えられんですよ。
でも、狂牛病で、ガクンッて牛肉は減りましたよ。
取引先のおおきな肉屋も、つぶれましたしね。
かわりにトリとブタがめちゃくちゃ増えたから、僕らの運ぶ量は変わりませんけどね。」

本来は同乗禁止なので、わたしは座席後ろのベッドに隠れて、
ブックを開いて、急ぎの原稿の修正を仕上げていた。
どすんどすん、肉類が積み込まれるたびに、ベッドは大きく揺れる。

ほぼ20分が経過して、しんさんは
「お待たせしましたあ」と、エンジンをかける。

門の手前で「あ、ちょっと待ってください。
前のトラックは、富山に行く○○さんなんです。
うちの会社で、一番遠いのは富山と僕なんですよ。
仲良しなんで、ちょっと挨拶してきますね」

聞くところによると、この会社で3年目のしんさんは古株になるそうだ。
入社しても、すぐに辞める人が多いらしい。

たったひとりで、トラックを走らせる仕事。
どんなトラブルもひとりで解決しなければならない。
それだけ、しんどい仕事だということなのだと思う。
それをよくわかっているから、彼は仲間に声をかけにいくのだろう。

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